無臭モデリング

無臭でのプラモデル製作を目指しています。

新水性塗料アクリジョンの使い方

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今回は、僕がメインで使っている塗料、アクリジョンについて簡単にレビューしたいと思います。さまざまな評判を聞きますが、あくまでも個人的な感想ということでお付き合いください。

 

きっかけ

20代で1人暮らしをしていたときは、塗装ブースも使わず、キッチンの換気扇の下でラッカー塗料をガンガンエアブラシで吹いていました。

ところが結婚していざプラモデル作りを再開しようとしてみると、この塗装がネックになってしまいました。

ラッカー塗料のニオイのきつさは、使った人が皆知るところです。もちろん使っていくうちに慣れますし、いい匂いだと感じるようになる人もいるかもしれませんが、一般的に言ってあれは臭い。しかもその臭い塗料を細かい粒にして空気中にまき散らすのですから、妻がいたら無理。いなくても、家の中に残る匂いの処理を考えると、なかなかエアブラシを使う気にはなれません。

そんなことが原因でプラモデル作りから遠ざかっていたのですが、ある日アクリジョンという新しい水性塗料が発売されたことを知りました。なんでもその大きな特徴は、ニオイが少ないと言うことだとか。

これは自分に再びプラモデル作りを始めよというクレオスからの啓示なのではないかと思い、模型店に出かけてジャーマングレーのアクリジョンを手に取ったというわけです。

ニオイ

で、そのニオイですが、ほぼ無臭と言ってもいいでしょう。ふたを開けて鼻を近づけて、やっとかすかに甘い香りを感じ取れるレベル。塗料の種類ごとの違いは感じられません。※その後、ファレホも併用するようになりましたが、匂いのなさでは互角です。

普段使っているエアブラシ用薄め液もほぼ無臭。ふたを開けて鼻を近づけても大丈夫。飲めと言われたら抵抗なく口を付けてしまいそうで怖い。目がチカチカしたり、心臓がドキドキするようなこともありません。

ただし専用ツールクリーナーは結構臭います。ラッカー用のツールクリーナーのニオイを半分くらいにしたイメージですね。対策としては、ティッシュキムワイプで拭き取ったら、そのままゴミ箱に入れずにポリ袋に入れてから捨てるようにしています。

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エアブラシでの使い方

エアブラシ用薄め液の使い方は、塗料と1対1で薄めよと書いてあります。基本的に箱の薄め方でいいと思うのですが、アクリジョン:薄め液1:1は、いちばん薄い場合のレシピだと思います。これ以上薄くするとはじかれやすくなり、また垂れやすくなると思います。

とくに白や黄色といった隠蔽力の低い色を吹く場合は、アクリジョン:薄め液が2:1くらいでも十分。

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アクリジョンは非常に乾燥が早く、筆塗り瓶生で直接塗ると、条件によってはこれラッカーじゃないか?というくらい早く乾きます。エアブラシ塗装のときにこの特徴が問題を引き起こします。ニードルの先やエアブラシ先端パーツの内側に、乾いた塗料がこびりいてしまうのです。

これを放っておくと、当然スムーズに塗料が出なくなり、ブべべべべべべという音と共に塗料がミストではなく飛沫となって塗装しようとしているモデルに襲いかかります。

対策としては、クリーナーを含ませた綿棒を1本用意しておいて、こまめに拭き取ること。エアブラシの先端パーツを、写真のように取り外しておいたほうが綿棒で拭き取りやすいかもしれません。

塗装がひと区切り付いたところでエアブラシの先端をひと拭いする習慣をつけると、スムーズに塗装できるのではないかと思います。

筆塗りでの使い方

部分塗装はほぼ瓶生です。瓶をよく調色スティックで混ぜて、牛乳パックで作った簡易パレットの上に出し、そこから筆で色を取って塗っていきます。

匂いを意識することは「全く」ありません。家族が寝静まった後、寝室へ通じるドアを開け放った状態でも作業できます(ただその場合物音に気を遣わなくてはいけませんが)。

白や黄色の隠蔽力は低いです。ただし瓶生であればそれなりに発色しますし、塗り重ねが必要な場合でも乾くのが早いのでそれほどストレスは感じません。

アクリジョンの長所の1つは、乾く前なら水洗いできるところ。この長所を最大限に生かすツールが、下写真の3槽式の筆洗いです。

水を入れた筆洗いを、予洗い、本洗い、仕上げ洗いと3段階に分けて使います。こうすると仕上げ洗いの水はほとんど汚れず、長く使えます。

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保管について

アクリジョンは、いったん固形化してしまっても、薄め液と水で復活させることができるそうです。

写真はだんだん量が減っていったクリアーの例。この状態だと練り飴のように非常に粘性が高い状態で、かろうじて薄め液で薄めて使用することができますが、もうすぐ固形化してしまうと思います。

決してフタが外れていたわけではありませんが、これまで2本ほど1年の保管で瓶の中で固形化し、つかえなくなっていたものがありました。ちなみにつや消しクリアーとフラットベースなので、つや消し成分があると固形化しやすいのかもしれません。

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ツヤについて

ツヤありの場合は、ペカペカした印象です。決して上品な印象はありません。AFVの塗装にしか使ってないおらず、結局最後はつや消しスプレーを吹いてしまうので、あまり詳しいことは言えませんが。

ツヤ消しは、ラッカーのツヤ消しと同じような印象かな……。タミヤの水性のようなきれいなマット面は出ないですね。そこを求めていはいけないと言うか、そこはこの塗料の守備範囲ではないと思います。

まとめ

  • マジで匂いはない。本当にない
  • エアブラシでの使用時は、マメにニードル先端を吹くクセをつけること
  • 筆塗りは、乾燥の速さを活かした重ね塗りで。エナメルのような伸びはない
  • 水洗いできる長所を最大限に活かそう

アクリジョンについて個人的な見解をまとめてみました。まず性能的に、現在ラッカー塗料を使える環境にあるなら、乗り換える理由はないと思います。僕だってニオイがしなければラッカーで塗装したい。

ただニオイの問題でラッカーが使えない場合、かつクレオスやタミヤの水性塗料でもニオイの問題で躊躇してしまうような方にとっては、有力な選択肢の1つとなり得る塗料だと思います。

ニオイはほとんどしませんが、ツールクリーナーが臭います。塗料が固着する前に水洗いでなるべくケアする使い方がベターかと思われます。

エアブラシでの使用は、薄め液との配合に若干気を遣う部分がありますし、必ずといっていいほど使用中にエアブラシをメンテナンスする必要もありますが、それに気をつければ問題なく使えると思います。多分。

ただ細かい迷彩塗装などの細吹きでどのくらい面倒くさいのかを実感していないという状態です。今後のレポートをお待ちください。

筆塗りは、隠蔽力の低い色はあるものの濃いめで使用することで乾燥スピードの速さを生かした塗装が可能になります。大きな面積を筆で塗る場合は未経験ですが、たぶん乾燥の早いラッカーの筆塗りと同じような使い方でいけるのではないでしょうか。

以上です!

 

 

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