劇団四季のライオン・キングを観て、いたく感激いたしました。 観劇による感激。
その衝動を立体化した結果を前回でご報告させていただいております。
ただ反省点がいくつかございまして、
- ライオン・キングのキリンの再現度、とくにフォルムがいまいち
- 顔面が黄色になっているはずが肌色
- 後肢の細部が実物と異なる
というような内容です。
ここでいう実物は、セレンゲッティ国立公園で目撃できるジラフではなくて、
劇団四季の舞台の上に登場するあらかじめその哺乳動物としての特徴を演劇的に固定されて、人間の実演というフィルターを通して立体化されたキリンを指します。
いかがでしょう。どこが違うのかわからないという意見を抱く方もいるかもしれません。
そこで比較画像を掲載します。右が旧キリン、左が新キリンです。
ね。全然違いますよね。
右のほうがかっこいいという意見もあると思います。そうかもしれません。でもかっこいいという尺度とは違った角度で作ったんですよ!
今回は裸の王様を見て「裸だ!」と大声で叫んでしまうような方を主に対象として、細部の解説をしていきたいと思います。よく聞け。
正面から見た写真です。とくに違いはないかもしれません。
たてがみについては、本物はもっと短いです。
細かいファイバー的なものを植え付けることも考えたのですが(スタティックグラスとか)、手間を考えてこうなりました。
プラペーパーを細く切って、デザインナイフで千切り状態にしたものを三層にしています。
それぞれの層の間には密着を避けるために0.3ミリプラバンを挟み込んでいますが、「で、なんだっけ?」という程度のクオリティにしか到達していないかもしれません。
とくに反論はないです。
後ろ足の膝より下は、1ミリ真鍮線をベースに、0.3ミリ真鍮線を3本配置して実物の構造を再現しました。
塗装は、アクリジョンの黄色+ダークアース。
ダークアースは、四角の枠だけ残した消しゴムはんこを作ってスタンプしています。
首はいい感じになりましたが、凹凸が複雑な胴体部分はいい加減な感じになってしまいました。
吉本興業の芸人さんが、「ライオンキングの後ろ足担当の人の楽屋風景」みたいなネタを披露されているのを拝見したことがありますが、ライオンキングのキリンさんには人間が1名しか内蔵されていません。
頭部はプラバン積層をベースに、タミヤエポキシパテで造形。前回エポパテだけでひねり出したところ、フォルムがあまり似なかったので、違うアプローチをいたしました。
あと全体に、タミヤの光硬化パテのお世話になりました。とても便利なのですが、昼間に窓のカーテンを開けて作業すると10秒くらいで硬化してしまうというすばらしい性能です。
みなさんも、劇団四季のミュージカルに登場するアフリカ原産のクジラ偶蹄類を、さくっと立体化してみてはいかがでしょうか?
あ、わすれていたけれど人間の顔部分はホーネットというブランドの35分の一のドイツ兵頭部を使っています。
フリッツヘルムのフチ部分をナイフで削り込んで、キリンの首の太さに丁寧に合わせています。
ということはこのキリンは約35分の1サイズということになります。