無臭モデリング

無臭でのプラモデル製作を目指しています。

F4FとF6Fは○○が違う

以前、零戦と隼の見分け方という記事を書きましたが、今回はそのアメリカ海軍版です。

太平洋戦争時の日本戦闘機で有名なのは零戦です。その相手役としては、アメリカ海軍戦闘機のF4F、太平洋戦争後期にはF6Fが挙げられます。

どちらも空母で運用可能な艦上戦闘機ですが、正直な話最近までどっちがどっちかよく区別がついていませんでした。同じグラマンの設計だし、空冷だし。よく言われるのがF4Fは中翼、F6Fは低翼という見分けポイントですが、これは2機を並べてみたらそう言えるかも?という程度の区別ポイントで、実際のところF6Fだって中翼だよね。ちょっと翼の位置が下に下がっただけだよね。

ところが72分の1シリーズで両者を比較したところ、まったく違うポイントが見つかりました。これは同スケールの模型を並べてみたからこそわかるポイントです。

こちらはハセガワ製のF6Fヘルキャット。地獄の猫です。低翼よりの中翼です。

こちらはなんだっけ。F4Fワイルドキャットですが、プラモデルではありません。童友社の完成品です。かんたんに手に入るF4Fのキットってないんですね。なんでだろう。人気がないからかな。多分そういう理由ですね。ということで72分の1の完成品です。塗装も綺麗だしデカールはずれていないし、プラモデルをわざわざ作る意味ってなんだっけ?という悩みを購入者に抱かせるナイスな品です。

おわかりだろうか。F6Fのほうが遥かに大きいのである。 何が違うかというと、単純に後発であるF6Fのほうが大きい。全長はワイルドキャット8.8メートルに対してヘルキャット10.24メートル。重さも、空虚重量でワイルドキャット2.4トンに対してヘルキャット4.2トン。小学6年生と高校1年生くらい違う。

ちなみに全幅はそれほど変わらない。13メートルだって。ワイルドキャットのほうは11.58メートル(ウィキペディアより)。あまり変わらんな。

結局、F4Fが進化したというか、モアパワーででかいエンジン乗っけることにして、それに合わせて機体サイズを大きくしたらできました、という飛行機がヘルキャットなのです。ということがわかりました。

エンジンを1200馬力から2000馬力にでかくして、それに見合う機体を乗っけただけだが零戦はF6Fに苦戦しまくったわけで、この選択は正しかったといわざるを得ませんね。日本もでっかいゼロ戦作ればよかったのか。それが烈風か。結局烈風は完成しなかったもんね。そもそも空母が戦争末期にはいませんけどね。

この「ハイパワーのエンジン乗っけたら勝てるんだから、それをやろう」ということで実行して結果を出したという歴史的事実については、自動空戦フラップとか水エタノール噴射とか翼端をいじるとかも細かい創意工夫は全部吹っ飛ぶわけです。というか、ハイパワーエンジン乗っけた強いやつ作ろうという方針がいろいろあって実行できないから創意工夫をするわけか。まあそうですね。

ということで、シルエットも名前も似ているワイルドキャットとヘルキャット、何が違うかというと大きさが全然違うという話でした。