無臭モデリング

無臭でのプラモデル製作を目指しています。

水性塗料ファレホの使い勝手、メリット・デメリット

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スペイン発のプラモデル用水性塗料、ファレホ。 臭いがなく、室内で気兼ねなく使用できる塗料の候補として、アクリジョンの次に試してみたブランドです。 今回はファレホの使い勝手と、実際に使ってみての感想、メリット・デメリットなどについてまとめてみたいと思います。

何はなくともニオイの有無

ファレホは、ボークスが日本総代理店となって輸入しているスペイン性の水性塗料(であってますよね?)。

無臭で使える塗料を探している自分にとって、興味のあるブランドでした。

幸い通勤途中に秋葉原に立ち寄ることができたので、ボークスにて数色ずつ購入して、今は20数本になっています。

本ブログは無臭モデリングというタイトルなので、何はなくともまずはニオイを確かめなければなりません。 まずはキャップを空けて鼻に近づけ、深々と息を吸い込んでみましょう。嗅覚全開。

うーんまったくの無臭ではありません。かすかに甘いニオイがします。タミヤ水性塗料系統のニオイですね。 ただしニオイの強さは1/3〜1/5程度だと感じました。 エアブラシシンナーなどの溶剤系のほうが、ややニオイが強いかもしれません。

少なくとも嫌なニオイではありません。ほぼ無臭なので、フタをあけっぱなしにしておいても、たぶん家族は気づかないと思います。 これってラッカー系の塗料を使ったことがある人からしたら、結構驚きの事実ですよね。

アクリジョンとの比較ですが、ほぼ同じかファレホのほうがやや弱いくらい。どちらも鼻を近づけて注意深くニオイを嗅がないと、細かい表現ができないほどの強さ(弱さ)です。

ニオイの好悪で言うとファレホのほうに軍配が上がります。つまりファレホのほうがいい匂い。 ただ、これは好みの問題なので、気になる方は実際にニオイを嗅いでみるしかないですね。

いずれにせよ、無臭モデリングには使える塗料だということは間違いありません。

価格と送料

ファレホ=高価、という印象を持っている方もいるかもしれません。 確かに、タミヤクレオスの塗料が100円台で購入できるのに対して、ファレホは300円。しかも通販で購入すると送料がかなり必要になります。 ボークスの送料は全国一律800円です。秋葉原のお店に立ち寄ることができれば問題ありませんが、気軽に試せるのはかなりお金持ちの方かも。

ただ、ただですよ?秋葉原までの往復交通費を考えると、バカ高いというほどでもないですよね。

秋葉原まで行く機会を作って、そこでガサッと必要な色を買ってくる、というのがいいと思います。500円以上買うとカタログくれますし。 次点は公式通販。 AMAZONはカテゴリごとに選びにくいので色を探すのが大変です。

容量

タミヤクレオスの塗料は10ml。それに対してファレホは17ml。 1mlあたりの単価は、タミヤクレオスが10円に対してファレホは17円くらいです。

これが安いか高いかを判断するときに考慮に入れたいのが、実際に使用するときに発生する塗料の無駄タミヤクレオスは、

  1. 調色スティックでかき混ぜ

  2. トレイなどに出して

  3. 筆にとって塗る、もしくはエアブラシのカップに入れる

という使用フローになります。

ファレホの場合は、

  1. 容器をシェイクして
  2. トレイに出して
  3. 以下同

というフロー。振るのが重要です。膝や手のひらに叩きつけて撹拌します。

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つまり調色スティックが不要です。ということは調色スティックに無駄な塗料がつきません。しかもいちいち調色スティックを拭う手間もありません

この点を考えると、ファレホのコストパフォーマンスはむしろタミヤクレオスに勝るのでは?と考えています。

経年変化

購入して3年ほど経っている塗料ですが、内部で固まっていたりして使用できなくなっている個体はありません。

一方、同時期に購入したアクリジョンは、フタを空けてみると固まっていてそのままでは使えないものもいくつかありました。

ラインアップについて

手元にあるのは

  •  モデルカラー
  • モデルエアー
  • パンツァーエーシズ
  • シンナーなどの溶剤系

4タイプ。 それぞれの特徴について解説していきます。容量や容器はタイプが違ってもすべて同じです。

モデルカラー

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原色系からミリタリー系まで幅広く揃っている、ベーシックなラインですね。

粘度は、トレイに出してそのまま筆塗りできるくらい。伸びの良さはタミヤエナメルより少し劣る程度です。

この、そのまま使えるというところがファレホのいいところ。容器の密閉性が高いので、粘度の経年変化も少ないのだと思われます。

パンツァーエイシズ

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アーミー系の色が細かく揃っているライン。使用頻度が高いのは新木色(New Wood)とレザーベルト。 モデルカラーと粘度は同程度です。肌色もハイライト色、影色などが揃っていて、調色が不要なのがGOODです。

モデルエアー

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エアブラシでそのまま吹付けできる!というのが売り。 粘度は他のラインより薄め。

溶剤系

f:id:blitz1940:20200829210542j:plain エアブラシシンナーは、塗料10滴に対して1,2滴入れよ、という指示。

エアブラシフローインプルーバーは、ニードル先で塗料が乾くのを遅くする、というもの。こちらも10滴に対して1,2滴という指示。

エアブラシシンナーとインプルーバーを併用すべきかどうかは忘れました。

シンナーメディウムは乳白色で、塗料を薄くすると言うより、塗料の粘度自体はそのままで色の濃さを調節するのに使う感じ。なので粘度は塗料と同等です。

サテンバーニッシュは、半ツヤにするやつですね。水で薄められるよ、って書いてありますが、たぶんエアブラシシンナー使ってたと思います。

ちょい技

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箱の中に入れて上から取ろうとするとラベルが見えなくて色がわかりづらい。 そんなファレホユーザーの悩みを解決するのがこの技です。 キャップの先端部分にちょっとだけ塗料を乗せておきましょう。 これで中身がどんな色か、上から見るだけでわかります。

メリット・デメリット

メリット

  • 使いやすい目薬容器
  • かき混ぜが不要で無駄な塗料が出ない
  • そのまま塗れるちょうどよい粘度
  • 経年変化が少ない
  • 筆が水洗いでOK
  • 同じ色でもハイライト、シャドーを展開するなど豊富な色のラインアップ。調色いらず。
  • 滴単位で量をコントロールできるので、希釈などがしやすい

デメリット

  • 秋葉原で買うか、送料800円払うか。入手コストが高い
  • 塗料の容量単価が国産と比較して高い
  • キャラクター色がない

まとめ

f:id:blitz1940:20200829210459j:plain 正直、アクリジョンより使い勝手いいです。アクリジョンよりいいというか、国産塗料の瓶入り塗料に比べて、目薬容器の使い勝手が異常によい

牛乳パックのパレットに出して、塗って、パレットは捨てて筆は水洗いできる。気軽に塗れるのはいいことです。 瓶入り塗料より、こぼして机を汚す可能性はかなり低いです。 またエアブラシを使うときもいちいち皿に出さず、カップに直接滴下して希釈できる(もしくは希釈せずに)吹付けができるのは楽ちんです。

キャラクター色がないのは残念ですが、アクリジョンだってない。あとウチの近所じゃファレホもアクリジョンも売っていないから、入手性だってそんなに変わらない

ということで、ミリタリーモデラーなら絶対に試してほしい塗料です。まじでいいよ。 オススメは、秋葉原ボークスでまとめ買い。8色とか16色とかセットになっているやつもあるから、それを選んでもいいですが、割引になっていないので単品組み合わせで問題ないです。

というわけで、いまのところ無臭モデリングへの貢献率が最大の塗料、ファレホのご紹介でした!